君の世界

ふく  2008-02-02投稿
閲覧数[155] 良い投票[0] 悪い投票[0]

君を悲しませることが好きだったわけではない
君との約束を破りたかったわけではない
あの日突然仕事が入っただけなんだ
いつも僕のすることに何一つ文句も我が儘も零さなかった君がどうしてあの時はあんなにも傷付いた言葉を吐いたのだろう
今までがうまく行き過ぎていたのか
それともただ僕が君の我慢の悲しみのサインに気付かなかっただけなのか
未だにそれが分からない
『もういいよ』最後に残したたった一言が僕を今でも締め付ける
何かを決断していたのだろうか
あの日必ず言わなければならないことがあったのか
考えれば考えるほど悩みが大きくなり君の世界に溺れさまよう

簡単に崩れる愛
こんなにも脆いと知っていればあの時どんなことがあろうと君のいる場所まで駆け付ければよかった
待ち合わせをしていたあの席を立つ時君はどんな顔をしていたのだろう
あのドアを開ける瞬間君は何を思っていたのだろう

ごめんね
何度も留守電に残した
君は嫌とゆうほど聞いただろう
何を言い訳すればいいのかも分からない
なかなか約束を守ってあげられなくてごめん
君を想う気持ちと君からの愛でそれだけで幸せと感じていたのに僕は何を見落としてしまったのだろうか

忘れられるわけもない
君の最後に見せた我が儘が苦しめるから忘れられない

もう遅いかもしれない
だけどもう一度君に会いたい
そんなふうに思いまた君に電話をかける
『なに』と君が電話に出てくれたから動揺して声が出ない
『出ると思わなかった』
不器用な言葉しか出ない
『もうごめんねは言わないで』
その呆れた声で気付いた
いつも言い訳の後にはごめんねの一言
伝える言葉はそれだけだった
君が望んでいる言葉を必死で探した
しばらくの沈黙に緊張が走る
『今でも大好きです』
僕の情けない声に君が少し笑う
その後の沈黙の中君の泣いている声を感じた
きっとやり直せる
本当は君の望んでいることを叶えてあげたいから

ねぇ
君は今何を考えているの
その涙にはどんな意味を持つの



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 ふく 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ