カイストランドの王都「リディ」。
そこに建つ荘厳な城の会議室には、宰相や軍司令官、そしてそれぞれの都市の長官が集まっていた。
「時は満ちた!」
宰相エリウスは白い髭をいじりながら、鋭い目で叫んだ。
「五百年の間、我々暗黒剣が天下を手にすべく、同士の数を増やし、人材の育成に尽力してきた。その甲斐あって、今ではどの国よりも鍛治士達の数と質は優れているといってよい」
それを聞くと、軍司令官ルディウスはにやりと笑って、
「今では暗黒剣の使い手はニ百人以上の数になっております。対してその他の国では百人程度…中には鍛治士をやめて商売に手を出している者もいるとか。信じられませんな」
と、言った。
「既に用意は整っておる。また、王からも出陣のお達しも出ており、何時でも侵略できる状態じゃ。じゃが、問題はどの国から手をつけるかじゃ」
「隣国の光法剣では無いのですか？」
それを聞いたルディウスは怪訝な顔をした。
「うむ…王はまず魔法剣の侵略を指示されたのじゃ。何故かは分からぬが…」
そう言って、エリウスは首を傾げた。
「王命とあらば、魔法剣から侵略すべきではないですかな？」
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