「ここのオムライスうまいんだよ!今度来た時は真紀に食べてもらおうと思っててさ!」
真紀はそれを聞くと、
「じゃあ、私、オムライス食べてみよっかな!」
と、即座に言った。
俺は真紀を見て笑った。
真紀も俺を見て笑った。
この笑顔をいつも隣で見ていたい。常に笑顔にさせてあげたい。いつまでも守ってあげたい。
俺はやって来た店員にオムライスを2つ頼んだ。
店員は俺達の顔を見ると、にこっと笑って去っていった。
店員が去っていった途端、急に俺の心臓の鼓動が早まってきた。
俺はその鼓動を力に変えようとした。
言うんだ。今しかない。
「なぁ、真紀。真剣に聞いてほしいことがあるんだけど…」
「なに?」
真紀は不思議そうに俺の顔をじっと見た。
「いや…、何ていうか…、そのさ…、俺…」
俺の生きてきた中で体験したことのない早さで心臓が動いていた。
「どうしたの?ためらわないで何でも言って!」
俺は覚悟を決めた。
「真紀!俺、真紀のこと、好きなんだ。初めて話した時から。…だから…、俺と付き合って下さい!」
…言えた。…とうとう。
俺の頭の中は真っ白になっていて、たった今発した言葉も覚えていなかった。
…でも、とりあえず言えた。
俺は真紀の顔をじっと見ていた…。