ナンクルナイサ?

なお  2008-02-03投稿
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「行くん…?」

「あぁ。歌手になること、夢だったさ…諦められん。」

「そかぁ。そだなぁ。」

「ん〜…」

大切な幼なじみの海(かい)が歌手になるために上京すると言い出した。ここは沖縄。

最初は、歌手なんか無理だと言われていた海だったが、海の気持ちを理解した海の親は、上京を許したのだ。

「もう会えんの?」

「わからん。売れなかったら戻ってくるかもしれん」


内心、そんなことを期待していた私。幼なじみの海とは、いつでも一緒だった。
いきなり離ればなれになることを聞いた私は、一人、応援する振りをしながらも、海の挫折を祈っていたのだ。

…最低。

自分でも嫌気がさしてくる。

「じゃあな」

出発は明日。私のために、わざわざ伝えにきてくれたことは嬉しいけど…やっぱり嫌だよ…

「ただいま」

家に帰ってくるなり、私はベッドにダイブした。眠れないことなどわかっていたが、今はこうすることしかできなかった。

「海…行かんでよ…なんで行くんね…」


一人涙していた。


朝が…別れの朝が…きた。

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