「………………」
何できてしまったんだろう。ここは、空港。海との別れが、近づいてきた。
「広菜、最後になんか言葉言ってあげ」
「お母…」
海が手続きを済ませて、こっちに歩み寄ってきた。
「広菜…」
「海…あの…」
「ありがとな。お前と一緒に今までやってきて、楽しかったさぁ」
「…っ………」
涙を流したい気持ちを抑えることしかできない。
どうするん?
応援する?
行かないでってせがむ?
自問自答…
海が歌手になりたいこと、ずっと前から実は知ってたんだ。あんたの優しい歌声大好きやった。応援…しなくちゃだよね。私は、海の幼なじみだもん…そして何より、海が好きだから…
「ま、売れなかったら戻ってくるからさぁ…そん時はよろしくな…」
海は苦笑を浮かべながら弱々しくいった。その時、私の中の何かが、背中を押した。
「甘ったれんな!海は歌手になるんね!弱気になるんやない!」
「広菜…」
「あっ…」
強引な性格がでた…本当に言いたくて、秘めていた思いが、ここで全てでたきがする…