あたしの横でケラケラ笑っていた北岡は、やっと笑いが治まると、あたしの一番聞きたかったユカとの関係について話してくれたんだー。
『俺とアイツは、幼馴染みなんだ。
つい最近までは家が近所でよ。アイツの家は裕福で、小さい頃から甘やかされて育って来たから、
性格的には、かなり偏ってると思うぜ。』
そう言って北岡は、前髪を掻き揚げたー。
フワッと心地良い風に、北岡の長めの前髪が舞い上がるー。
知らなかったー。
北岡とユカが幼馴染みだったなんてー。
『付き合ってるって言うのは、ユカの嘘だったって事?!』
あたしの言葉は、いつもストレートだー。
それ故にー
自分でもかなり不器用に生きてるなとは自覚していたけれどー。
『うん。そおゆうコトっっ!!』
そう言って笑いながら、あたしにVサインする北岡ー。
『んもぅーっっ!!北岡君てばふざけないで!!あたしは真面目に話してるんだから‥‥。』
ちょっと怒ったフリしてみたあたしー。
『ごめんごめん‥。でも、これだけはハッキリ言える。
秋田谷は、ただの幼馴染みで、それ以上の感情は何もない。』
北岡は、あたしの目を真っ直ぐ見てそう言ったー。
『でもな、アイツも可哀相なヤツなんだって事は知っといてやってくれ。』
北岡が優しいのは分かっていたけどー。
ユカの事を庇う様な言い方をしたからー。
あたしは少しイライラしていたー。