少年と暮らし2週間たった頃だった…
僕はいつもの様に仕事を終え、家に帰って来た。
「ん…」
少年の様子が、何かおかしい。
僕は聞きたい気持を我慢し、いつもの用に一緒にご飯を食べ、テレビをみていた。
「あの…」
少年が、話しかけてきた。
「何?」
僕は少年の方を見た。
「お母さん…何で…僕を捨てたのかな…」
少年は小さな声で言い、下を向いた。
「…」
僕は何も言えなかった。
「僕の事…嫌いなのかな…」
「悪い子だからかな…」
僕に必死に何度も問いかけ、大声で泣き出した。
はじめて少年の泣き顔を見た。
少年は、一緒にいる時は決して泣き顔や暗い顔をしなかった。
僕は何も言えなかった…出来なかった…情けなかった…
少年は泣き疲れ、寝てしまった。
僕は、布団をひき少年を寝かせ一緒に寝た。
少年は僕の手を掴み離さなかった。
後で知った話しだと、近所の子と友達になり母親に甘える姿を見て、淋しくなったのだろう。
次の日、少年はいつもの様に振る舞った。