『じゃあさ、あたしがユカに何をされたか‥北岡君は知ってる?!』
またもや意地悪を言ってしまったあたしー。
だってそうじゃんー
あたしが入学以来、クラスメイト達から受けて来た様々なイジメの数々は、全てこの“秋田谷 ユカ”の計画によるものだったのだからー。
『全部知ってる。
俺はこの通り学校にあまり来てなかったから、後からクラスの連中に聞いたりした部分もあったけど‥。』
北岡は淡々と答えたー。
『なら‥‥北岡君もクラスのみんなと同じ?!』
あたしは、この時何故か冷たい言い方をしてしまったー。
何故こんなに冷たい態度を取れたのかー
あたしは自分でもよく分からなかったー。
さっきまで北岡の事が大好きだったあたしなのにー。
一気に北岡への思いが冷めた様な気がしたー。
『いい加減にしろ!!何言ってんだよ!!怒るぜ!!』
北岡の顔は、急に険しい表情に変わったー。
『‥‥‥。』
あたしはびっくりして何も言い返せなかったー。
『俺、お前の事、
初めて見た時から好きだったんだぜ。
入学式の日、お前を初めて見た瞬間から‥‥。
そう‥俺の一目惚れさー。』
ほんとにー?!
北岡の話をー
あたしは茫然として聞いていたー。
『俺は入学して間もない頃に、秋田谷から告白されたー。
ずっと昔から好きだったってー。
でも俺は、その気持ちを受け入れる事は出来ないと言ったんだー。
好きなヤツがいるってー。
お前の事が好きだったからー。』
そう言うと、北岡は俯いてしまったー。
学校内で一番のワルで、問題児の北岡のこんなにもしおらしい姿をクラスメイトの誰が想像しただろうかー。
『だから秋田谷は、お前への嫌がらせをする為に、クラスメイトにお前の過去をバラしたー。』
北岡はここまで話すのに、何度も言葉を詰まらせたー。
話しにくい事を、
一生懸命言葉を選んで話してくれたんだー。
あたしを傷つけない為に‥‥。