火がまるで意志を持っているかのように…いやっ、実際持ってるのかも知れない、(バシャバシャ)向こうから見知らぬ女が必死に逃げてくる「タスケ…ダレカ……タスケ…」女長い距離を走ってきたのか…喉から出る声がかすれていた、女はアパートの二階にいる男に気付いたようで…かすれているが大きな声で…
「助けてください!!お願い!助けて!」 男は非情にまぶたを閉じた、今から起こることを知っていたから…そして、それに対し自分は何も出来ない…(ゴォ−!)強い風の音が耳に聞こえた、ゆっくりと目を開けると女は見るも無惨にばらばらになっていた…もう、助けを求める様子もない、男は顔を背け、そしてつぶやく「自然現象相手にどうやって助けろっていうんだよ…」そういうと男はまた部屋に戻ろうとした(ガ−ン!)背後で物凄い音がした、後ろを振り向くと鉄鋼が今自分がいたところに落ちていた、ようだった、「殺すなら、早く殺してくれ…」そう呟いて、ドアを閉め、また自分のいたところに横になり 停止画像に身をまかせた…ここは確実に世界が破滅に向かっている場所その理由は…宇宙人が飛来したとか人間が作った核爆弾が爆発したとか、テロや戦争のせいとか…そういうことではない…ただ…ある日、自然災害が人々に殺意を持って襲い始めたのだ…自然に人間が勝てる…はずも…ない…少なくとも男は