「よくもまぁ、あんなもん見た後でこんなに食えるわねぇ」
「いや、かえってお腹が空いちゃってさぁ」
テーブルではタン塩が食欲を誘ういい匂いを発しながら美味しそうにジュージュいっていた。
普段の私なら獲物に飛び掛かるチータのような動きで、そのタン塩を口の中へ運ぶはずなのだが今日はそんな気が起きない。
なぜなら、ついさっきまで観ていた映画が問題だった。
私の目の前で元気に肉を口に運んでいる由里から「面白い映画があるから一緒に見に行かないか?」と誘われたのは数日前。
しかし―――あれが面白い映画か!!
今日観た映画は二流どころか三流のスプラッター映画。ストーリーもヘッタクレもなく、ただ残虐シーンだけが取り柄のような映画だ。
「ああいう映画観るとお腹空くよねー」
いや、絶対に空かないから。それも肉を食う気になんかなれないって。
知り合って数カ月だが、もしかして由里って子は変わり者なのかもしれない。と私はその時思ったのだった。
後から考えると、この時の私は考えが浅かったなと反省するのだが。
肉食主義?へ続く