もういない猫

朔夜  2008-02-05投稿
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長年可愛がっていた猫が亡くなった。

僕よりも先に亡くなった。

人と猫とどちらの寿命が長いかと言われれば、
それは仕方がない事だ。

毎日側にいて、可愛いがっていた猫。

血統書付きなんかじゃない普通の猫。
それでも、僕にとっては特別愛しい猫。
僕が拾ってきた猫。

冷たくなった猫の体を、
抱きしめて…
亡くなった事が、悲しくて
何も出来ない自分が、悔しくて
もう戻っては来ないと言うことが、寂しかった。


でも、泣くことすら出来なかった。
きっと、一度泣いたら止まらなくなりそうだから。

訳がわからなくなるまで
大声で泣き叫び続けてしまいそうで
ずっと唇を噛み締めていた。

それでも、溢れる涙は止められなかった。

溢れる涙をそのままに
庭に深い穴を掘り埋めた。
全てが終わった時には、
唇を噛み締め過ぎて、
血の味がした…
僕は生きてる。

きっと、また猫を飼う事があるだろけど
決してお前と同じ名前はつけない。

お前はたった一匹しかいないのだから。

飼うからには可愛いがり最後を看取る。

どんな猫を飼おうとも
僕は、お前を忘れたりはしない。

生まれ変わりが本当にあるのなら
またおいで
待ってるから

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