長年可愛がっていた猫が亡くなった。
僕よりも先に亡くなった。
人と猫とどちらの寿命が長いかと言われれば、
それは仕方がない事だ。
毎日側にいて、可愛いがっていた猫。
血統書付きなんかじゃない普通の猫。
それでも、僕にとっては特別愛しい猫。
僕が拾ってきた猫。
冷たくなった猫の体を、
抱きしめて…
亡くなった事が、悲しくて
何も出来ない自分が、悔しくて
もう戻っては来ないと言うことが、寂しかった。
でも、泣くことすら出来なかった。
きっと、一度泣いたら止まらなくなりそうだから。
訳がわからなくなるまで
大声で泣き叫び続けてしまいそうで
ずっと唇を噛み締めていた。
それでも、溢れる涙は止められなかった。
溢れる涙をそのままに
庭に深い穴を掘り埋めた。
全てが終わった時には、
唇を噛み締め過ぎて、
血の味がした…
僕は生きてる。
きっと、また猫を飼う事があるだろけど
決してお前と同じ名前はつけない。
お前はたった一匹しかいないのだから。
飼うからには可愛いがり最後を看取る。
どんな猫を飼おうとも
僕は、お前を忘れたりはしない。
生まれ変わりが本当にあるのなら
またおいで
待ってるから