2008年2月(雨)…
未来に希望が持てなくなった私は…
崖から飛び降りた
ズギッ
頭に激痛が走る
目を開けると真っ白な世界
天国?と思った瞬間
「佐伯さん?」
…誰?
「よかった〜。このまま目覚めないかと思ったよ。あっ!看護婦さん呼んできますね。」と謎の男は去っていった
私は上半身を起こした
ズギッ
再び頭に激痛が走る
「あっ!佐伯さんまだ起きちゃ駄目ですよ!!」謎の男が看護士と一緒に帰って来た
「佐伯瞳さんですよね?」看護士が言った
「…はい」私は小さい声で答えた…
そして、漸く自分がどこにいるのかが分かった…
病院…
何で?
分からない?
もっと分からないのは、看護士の横で心配そうな顔した謎の男…いったい何者?
「柳瀬さんは、崖から落ちたあなたを助けられた方ですよ」と看護士は謎の男の説明をしニコッと微笑んだ
「えっ!」
柳瀬と言う男を再び見ると、頭に包帯を巻いて松葉杖をついている、顔にも傷がある…
明らかに私より痛々しい格好をしていた…
呆然と見つめる私に柳瀬は照れ笑いをした
これが私と柳瀬歩の出逢いだった