人食神の林

レオン  2008-02-05投稿
閲覧数[707] 良い投票[0] 悪い投票[0]

俊と俺は幼馴染みだった。
近所の神社が俺らの遊び場で、その日もいつもの様に遊んでいた。

神社の境内の裏には、決して足を踏み入れてはいけない林があって、その林は「人食神の林」と呼ばれ地元の人もめったに近寄らなかった。

その日、遊び飽きた俺らは怖い物見たさから、人食神の林を見に行く事にした。
境内の裏へまわると、大きな2本の杉の木の間にロープがひいてあり、どうやら此処から先が人食神の林の様だった。
俊 「なぁ、入ってみようよ」
俺 「え…入ったら祟られるっ てばぁチャン言ってたぜ…」
俊 「そんなの迷信。きっと何 かこの先に隠してんだよ」俺 「何かって何だよ!」
俊 「見つかっちゃ困る物とか 埋蔵金とか何かだよ」

こうして俺等は、人食神の林を探検することになった。
林の中は、薄暗くてジメジメしてて気味が悪かったけど、たいして変った所もなく、俺等はどんどん先へ進んだ。

俺 「なぁ、だいぶ奥まで入っ て来たけど何もないじゃ ん。そろそろ帰ろうぜ。」
俊 「待てよ。もう少し行って 何もなかったら帰ろう。」
また先へ進むと前方に無数の地蔵が現れた。苔がこびり付いた地蔵達のなかには、首のないやつもいて不気味さが漂っていた。

俊 「マジ怖え〜。ほら、帰らな くて正解じゃん。」

俺等はキャッキャッ言いながら、地蔵達を通り過ぎてまた先へ進んだ。

地蔵から3分ぐらい歩くと、目の前に澱んだ沼と小さな祠が現れ、そこで行止りになっていた。

俺 「汚ねぇ〜沼だなぁ」
俊 「魚いないかな?ちょっと 水面叩いてみるか。」

俊はその辺の木から枝を折って、その枝で水面を叩いた。
どうやら何もいないようだ。
俊 「つまんねぇ〜の。」

枝を沼の中へ入れてグルグルと掻き回しながら言った。
そして枝を水面から出した途端、俺等は固まってしまった。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 レオン 」さんの小説

もっと見る

ホラーの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ