「いっただっきまぁ〜す♪」
時刻は12時20分。給食の時間がやってきた。
いつものようにいつものお気に入りの《テーブルクロス》をしいて給食を食べる。
私は中村美咲。小5のどこにでもいそうな女の子だ。
しかし、そんな私にも片思いしている人がいた。
「なぁ、中村、そのテーブルクロスどこで買ったの?」
ドキンッ
そう、この人、石川達也が私の好きな人。
達也とはなぜかずっと隣どうし
の席だった。
席替えをしてもしてもまた今回も隣だった。
今回で4回目。もうさすがに達也も嫌な顔すると思ったのに、達也は笑って
「またかぁ、ヨロシクな!!」
って言ってくれたんだ。
そんな達也にドキドキしている自分に気付いたのはつい最近のこと。
だから達也に話かけられるだけでもすごく嬉しかったんだ。
私は話かけられたことが嬉しくて嬉しくて、意味も分からずにヨーカドーで買ったと達也に言った。
【次の日】
おどろいた。だって、達也が昨日教えたテーブルクロスを持ってきていたから。
頭の中にはハテナマークでいっぱい。なんで?どうしてそんなことするの??
達也には好きな人がいるっていう噂があるから、誤解されちゃうよ?
そう思う半面、顔がニヤついてしまう自分もいた。
必死で顔を元に戻そうとしている時、達也がテーブルクロスを持ってやってきた。
「中村っ♪これ買ってみたんだけど♪♪」
そう言って恥ずかしそうにニカッと笑う。
ドキンッ
バカ……達也のバカ!!
もっと、達也のこと好きになっちゃうじゃんか!!
あれから2年。私は中学生になっていた。
私は達也とは中学が別になってしまったので、ほとんど顔をあわせることもなくなってしまった。
たまに会っても、無視されてしまう。
私の心に降り積もった思いは、
ただただ今もなお増え続けている。
いつかこの思いが届くことを願っているよ…。