『そろそろ帰さないとね
じゃあ東京に来る日決まったら連絡してね
待ってるから』
「あ、じゃあ私の連絡先も・・」
といい、私は携帯を出した
『高校生なのに携帯持ってるなんてすごいじゃん!教えて教えて』
当時、今ほど携帯は普及していなかった
理解がある親のおかげで私は携帯を持っていた
こんな時に役に立とうとは思いもしなかった
「えっと・・030の〜・・」
私は電話番号を伝え、ベンチから立ち上がった
「座っているといつまでも帰りたくなくなっちゃうから帰るね
東京行く日が決まったらまた連絡するね」
そう言って私はあっさり帰りだした
私が和に夢中であることは私が一番わかっている
しかし、認めたくない
それ以上に和に知られたくない
悟られたくない
その一心で私は帰りだしたのだ
家につくまでの道のりの中、私はこの3日間のことを思い返していた
本屋で出会ったこと・・お茶をしたこと・・最初は異常に警戒したこと・・一緒に食事をしたこと・・ほっぺにキスしてもらったこと・・
どれを思い出しても幸せだった
何を思い返してもやはり和を心から好きになってしまっていた
私は恋愛に猛進していた
苦しい遠距離恋愛になるとは知らずに・・