「第四章〜美羽」
「おまえその傷……?」「これ!?良くやるの。悲しいときとか……。」俺の心に何かが引っかかった。何なんだろう……?この感情は……。
「どうしたの……?」
美羽は平然としていた。なぜなんだろう……?
「大丈夫なのか……?」俺はこの一言に驚いた。なぜ女を心配したんだろう……?それ以前に何でこいつとこんなにしゃべれるのか……。
「ハル君が心配してくれるなんてめずらしいね!!大丈夫だよ!」
「そっか……。何で切った……?」
「ずっと好きだった人に裏切られたり自分が嫌になったりしてかなぁ!」俺にはわからなかった。心が騒いでいた。自分が嫌……?それに何なんだ……。何で好きな奴のためにって……?
「初めてだね!こんなにしゃべったのー!」
「おぅ……。」
「どうしたのぉー?」
「いや別に!!」
「そろそろ帰るかー!」「そうだな。」
帰り際に美羽が言った。「たまにはハル君からメールしてよぉ!じゃあねー!」
「わかった。じゃあ」
アイツのことが気にかかる。何で切ったんだ……?初めてなったこんな気持ち……。何かわからない。何なんだろうか……。そんなゴチャゴチャな気持ちのまま俺はいつもの帰り道を帰っていった。