今にも雪が降りそうな真っ白な雲の下、彼女はベランダの上で外をボンヤリ眺めていた。
彼女の名前は渡部雪。れっきとした17歳の女子高校生である。家庭は母が一人、子一人のシングルマザーの家庭で、高校は最近設立した納谷河高等学校。成績は普通、性格は大体おとなしい、趣味は読書のどこにでもいるような少女である。
しかし彼女の頭の中のは普通ではない思考がある。それは紛れも無く「興味」。人の心臓、人の表情、人の命。そう、彼女の思考回路には「血」が紛れ込んでいた。
でもいつもその思考を遮る者がいる。そいつの名前は伊崎康。彼は雪の幼馴染みで、超が着く程のドジッ子。スポーツは抜群なのに惜しいものだ。顔はたいしてかっこいいと言うにはあまりにも普通で、勉強も彼女と等しく普通。要するに彼女と同じく、どこにでもいるような幼馴染みである。
彼の家はすぐ近所と言うよりお隣さんだ。
「ゆきぃ!」
彼女は呼ばれて家の前を通っている道路に顔を伸ばした。そこには上を見上げる伊崎康がいた。
「康、どうしたの?今日は日曜だから学校休みでしょう?」
康は首を振り、「サッカーの試合で学校行くんだ!」と気合十分に言った。
そう、彼はサッカー部の部長だ。
「それでさー、暇だったら見に来ない?」
雪はしばらく考えた後、「着替えてから行くよ。」と言った。
「じゃあ先行ってるな!」
康は勢い良く走った。先程書いたが、彼はドジッ子である。お約束の通り、見事に転んで先に怪我をした。
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続きはまた明日に書きます。
初めて書くのでいまいちかもしれませんが、どうぞ読んでください!