『どうしたの?…家に招待してくれるんでしょ?』
彼は私に微笑む…
そして…
私の右手を握る彼がいる…
私は恥ずかしくて顔を上げられない…
あまりに彼の自然な行動に戸惑うしかなかった…
(何で手を繋いでるんだろう……)
自分の家までの距離が、いつもより百倍遠くなった気がした…
家に着き、鍵を取り出そうとカバンの中を探した…
でも、彼のせいで、うまく探せない…
自分でも、体中が赤くなっている事が分かった…
その時だった…
私はバランスを崩して、彼に持たれ掛かってしまった…
彼に抱き締められて、彼の爽やかな香が漂った…
温かい彼の腕の中で、私は意識が無くなった…