俺は悟った。
彼女を作るっていうのは、単純にその女が好きということではなく、その女をずっと守ってあげたい。そういう風に思うことだったのか。
真紀は今まで心の中に抑えていたものを全て発散させるかのように言った。
「ねぇ優くん、私達、もう付き合ってるんだし、携帯くらい教えてもらってもいいよね?」
俺は笑いながら答えた。
「あぁ、もちろん。でも何かあった時は必ず俺に言ってくれよ!あんまり俺に心配かけさせるなよ!」
「うん、わかった!…昨日もそんなに私のこと心配してくれてたんだね、ありがとう!私、優くんみたいな男の人に出会えて幸せ!」
俺は少し照れくさかったが、同時に真紀を守るという強い決意を胸に秘めた。
オムライスが運ばれてきた。運んできた店員の顔をちらっと見ると、その顔はさっき注文した時よりも笑っていた。
「食べよ!」
真紀がそう言ってオムライスを口にした。
「おいしい!今まで食べたオムライスの中で一番おいしい!」
真紀は笑った。
「だろ!一度真紀に食べてもらいたかったんだ」
俺はそう言いながら、真紀の笑顔を眺めていた。
真紀は本当に嬉しそうだった。全く俺に気を使うわけでもなく、自然なままの笑顔だった。
今までで一番可愛い笑顔だった。