「…魔法剣は我々と同じ闇の属性を持ち、今日まで友好関係が続いておる。これを叩けば、岩石剣を刺激してしまう」
「…」
「そうなれば、光属性の三国との争いになった場合、岩石剣の支援が得られない可能性も出てくるのじゃ…」
エリウスは肩をすくめながら、小さくため息をついた。
「それならば、一つ策があります」
都市長官の一人が、冷徹な瞳をエリウスに向けて、静かに言った。
「何？マギウス、何か良い考えでもあるのか？」
エリウスはマギウスをぎろりと睨んだ。
その様子を見たマギウスは、にやりと笑って、
「ええ。それでは…」
と、楽しそうにその策を語り始めた。
「なるほど…、それは確かに良策だ…」
ルディウスは感心して、言った。
「ふうむ…」
エリウスは苦い顔をしながらも、腕を組んで思案していたが、やがて、
「仕方ない…その策でいこう…」
と、唸るように言った。
「ありがとうございます…」
マギウスは静かにそう言うと、不気味に口元を吊り上げた。
エリウスはその表情を見つめながら、
（この男は常に監視しておかねばならん…。野心と能力が高すぎる者は、国に害を及ぼす可能性を孕んでおるからのう…）
と、自らに言い聞かせた。
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