ねぇ…
あなたは今、なにをしていますか?
もう彼女はできましたか?
「ふぅ〜」
2月の寒さで熱を失ってしまった手の平に、白い息を吹き掛けた。
「…達也…」
小学生のころの淡い恋を思い出して、思わず出てしまったあなたの名前…。
現在、中学3年生になった私。
もう諦めてはいたけれど、やっぱりたまに駅であなたを見かけると胸がキュッと締め付けられるのは変わらないよ。
好きだよ…達也…。
もう後悔したって遅いのはわかってるけど、やっぱりあなたに無視されると、
へこむなぁ…。
あ…また…。
こんなに思っているのに、苦笑いするしかできない私。
苦しいよぉ。達也、
ビューと風が私のバッサリ切った髪を小さくなびかせる。
その風とともに入ってきた電車に乗る。
なごり雪…。