『コラァ!!何やってんだ!!テメェラわぁ!!』
そこに立っていたのは、今日は休みの筈の聖人だったー。
その表情は、眉間に深くシワを寄せ、
目を大きく見開き、口元は歯をギリギリと噛み締めていて、あたしが今までに一度も見た事の無い険しい表情だったー。
『教室の外から事の経緯をしっかりとこの目で見させてもらったぜ!!』
聖人は、そう言いながら、ツカツカと教室の中に入って来たー。
さっきまでザワザワと騒がしかった教室も、聖人の一声で、シーンと静まり返ってしまったー。
あたしは聖人が今此処に居るのがまだ信じられなくて、
まるで、夢でも見ているかの様な感覚に囚われていたー。
聖人は、あたしの近くに歩み寄り、
机の上のスケッチブックを手に取ったー。
『このスケッチブックをこんな状態にしたのは誰よ?!』
聖人はそう言うと、鋭い眼光で教室内をぐるりと見回したー。
シ―ー‐ン‥‥‥。
静まり返った教室ー。
『テメェらの中にやったヤツがいる筈だろうが!!
なんで黙ってんだよ!!』
ガラガラガッシャーン―ー‐。
聖人が机を蹴り上げたー。
机は、聖人が蹴り上げた勢いで数m先まで吹っ飛んでいったー。
クラス一おしゃべりでお調子者のサチヨが、珍しく震えて居るー。
ユカは聖人を心配そうな目つきでジッと見つめていたー。
『黙ってんのかよ!!バカヤロー!!
テメェら、こんな事して楽しいかよ?!たった一人の人間を集団で集中的にやり込める‥。
こんなやり方ありか?!』