真奈は貯水庫の青年よりも目の前の景色にビビっていた。
“妖件課”と書かれた看板に規則正しく並んだデスクとデスクの数のロッカー、“資料”と書かれたいくつもの棚、
「さぁ佐藤警部の妖件課にようこそ。」
警、、、部、?
今確かにこの佐藤青年は警部と言った。
「ここは?貴方は誰?」
「今言ったろ、ここは佐藤警部の妖件課、つまり警察署だな。」
真奈は状況を理解する為、気になる事を全て聞いた。
「貴方、人間?」
佐藤は真顔で、
「いいや、ん?正確には元人間かな?」
「じゃ、じゃあ今は?」
「天上使だよ」
笑顔で言った。
「天上使って?」
佐藤は ああ と言って、
「あの世には沢山の分野の神が居て、自分の魂をあの世に差し出すと自分が選んだ神の力を貰う事が出来てその力で悪霊とか妖怪とかをあの世に返す役人かな?だから魂売っちゃったし、もう人間じゃあ無いな」
「何で貯水庫の中?」
「俺仕事嫌いだからさぁ〜人目が無い所にしたのに、一度目が覚めたら五十体の妖怪をあの世に送らなきゃいけないし、面倒だなぁ」
佐藤青年は頭をかいた。
そして何かを思いついた。
「君、ここで僕の助手やらないか?」