あれから真奈は佐藤の助手としてちょくちょく警察署に来ていた。
今日も放課後、佐藤の所へ行こうと屋上に来た時、
「あなた、誰?」
真奈の目の前に小学校五年生位の男の子が立っていた。前髪が長く、大きなボロボロの白い服一枚で全身を包んでいた。
不安げな表情で真奈を見上げていた。
とても綺麗な整った顔で大きな瞳で喋りもせず、じっと真奈を見ていた。
「どこから来たの?」
「山、、、。」
幼い声でそう言った。
「真奈ちゃん遅いなぁ〜」佐藤が真奈を心配して外へ出たら、真奈と一人の少年がいた。佐藤は、はっとして、
「真奈ちゃーーーん!!!そいつから離れろーー!」
叫びながら真奈へと駆け寄る。
真奈が佐藤に気付き、少年から目を離した時、
「ハッッ!」
少年が真奈をさらっていった。
佐藤がポケットから薄茶色の玉を出し、口の中に入れ、歯で噛み砕いた。
その瞬間、佐藤が輝いて背中から翼が生え、飛んだ。佐藤も凄い速さだったが、少年の方が何倍も速かった。見失った。
「くそっ!厄介な奴だ!」夕暮れが沈み始めた。
「ほう、天子(てんじ)とな?」