「そうか。それで家に来たんだね」
「はい…。突然お邪魔して申し訳ありません…」
そう言って、ロイは目の前に座っているエミリアとミリスの父、セイルに向かって頭を下げた。
「いや、謝らなくてもいいよ。しかし、声が聞こえないとうのはなあ…」
セイルは困ったような顔をしながら、首を傾げてロイの魔法剣を手に取った。
「ふむ…確かにエミリアの言う通り悲しそうな感じがするが…。うーむ…」
腕組をしながら、セイルは唸った。
「…そう言えば、伝説では魔法剣の創始者ジャビネスは、たった一つ、この世界の創始者様から授けられた剣以外の声は聞こえなかったと…」
エミリアはふと思いついたように、呟いた。
「!」
それを聞いた他の三人は絶句した。
「ま、まさかあ、ロイがあのジャビネス様の生まれ変わりなんて…ねえ?」
ミリスはロイをじと目で見ながら、言った。
「な、なんでだよ、ミリス姉ちゃん」
「だってロイ、あんまり強くなさそうだし…」
「…確かに魔法では絶対に敵わないけど、剣術ではどうか分からないよ」
ロイは自信ありげに言った。
「お、言ったわね、ロイ。なら、お姉ちゃんと勝負しでみる?」