「ふぅ〜……」
一週間の仕事を終えた俺、篠原 湊(みなと)は、ため息とともに家に向かっていた。
一週間、仕事と戦い続けていた俺。疲れも、いつも以上なものだ。
だけど、こうやって家路を辿る時間は、どこかときめいていた。
そう…俺の可愛い嫁さん…早耶(さや)が待っているから。
俺たちは、結婚して、最近二年が過ぎたところだ。
愛は変わりなく、二人を包んでいる。そろそろ、子供についても話しているところだ。
「…あれ………?」
気づけば、目の前にはらはらと舞いおちる白い粉……雪だ。
「どうりで寒いわけだ…雪かよ…」
雪は、気づけば勢いを増していき、それと比例して、寒さも増した。
「さっさと帰りますか…」
独り言を一つ。家路を再び辿る。
もうすぐ愛しい嫁に会えると思うと、次第に足取りも軽くなっていく。