まだ少し肌寒い3月の夕暮れ。駅のホームに発車のベルが虚しく鳴り響く。「旅立ち」を決意して見上げた空は、僕が生きてきた中で一番綺麗な夕焼けだった。 半分開けた電車の窓からは、微かに心地良い春の匂いがした。僕は、ゆっくりと走り出した景色を見ながら、いつの間にか泣いていた。 「ありがとう…ごめんな…」 夕焼けが涙で霞んでぼやけて見えた。
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