「先生…いたんですか」
「俺がこういうシチュエーションになる様にセッティングしたんだ。」いつもと様子が違う。怒っている訳じゃなく、悲しんでいる訳でもなく…言うなれば、『焦っている』様だった。
「…神崎、俺だって怒ってんだよ?」
この人突然何言い出すの!?私の方が怒ってるに決まって…!!
「俺はね『大人なんだから』って、ずっと我慢してた。俺は教師なんだって、ずっと…」そう言いながら、先生はゆっくり私に近づいている。「だけど、お前がいとも簡単に俺の自制心を水の泡にしてくれるからさぁ…!」バン!!と先生は、私の横の壁を強く叩いた。