葬儀は自宅でひっそりと行った。
それが母親の願いだったから。
俺は仕事が手に着かず、逃げ出すようにして辞めてしまった。
弟はまだ高校生で、悲しかったのか俺の影響か高校へ行かなくなってしまった。
兄貴は結婚していたこと。
自分の所が大切だったのか俺達のことを気にもかけてくれなかった。
この頃から兄貴とは縁が遠くなっていった。
収入はなく、お腹がすいたときは味噌を薄くといてご飯をまぜ、それを弟と分け合って食べて過ごした。
もういよいよ尽きそうになった頃、母親が掛けていた保険のお金がわずかだが入ってきた。
そして俺も働かなきゃ食えないと就職し、弟も学校へ行き始めた。
びっくりしたのが、あと1日休んだら単位を落とすところで、先生も半分諦めていたらしく驚いていた。
そしてすぐ、俺は結婚した。
ここからが、ほんとのどん底人生が始まる。
寂しかったのかなんなのか、ハッキリと覚えていないが子供ができたから結婚という、できちゃった婚をしたのだ。