友達のまま君に恋をする…?

なお  2008-02-10投稿
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[翔ちゃん、私…ふられちゃった…協力してくれてありがとね。ごめんね…。]


俺は、手紙を落としそうになるくらい、全身の力が抜けていくのを感じた。

だけど、心のどこかで喜んでいる自分がいた…


最低だ…俺…


昼休み、俺は導かれるように、屋上にむかった。

案の定、沙恵が座り込んでいた。


「………沙恵?」


「…翔ちゃん……」


振り向いたその顔は、涙でぬれていて、心がしめつけられた。


「ぁたし…ふられちゃったよぅ…」


涙を拭くこともせず、ポロポロこぼす姿が無性に悔しかった。

「沙恵………」


抱きしめたい衝動…好きだと伝えたい衝動…全てが俺を駆り立てる…


けど、そんな想いも、沙恵が放った言葉によって、簡単に壊れた。


「けど、私、諦めないから!」


涙の中の笑顔がまぶしかった。

「沙恵……!」


「緑川君が大好きです―――!!!」


空に向かって沙恵は叫んだ。その言葉は、こだまして、やがて消えた。


気づけば、俺の中のもどかしい想いも消えていた。


「……クス……」

ウジウジしてる自分がバカみたいだった。やけに、笑いたくなった。


「沙恵…最高…!」


沙恵の頭をクシャっとしながら笑顔で言った。

おまえが笑顔になれるなら、それでいいわ、俺。おまえが翔ちゃんって言ってくれりゃ、かまわねーよ。


大好き…沙恵…






fin....

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