「フフ・・、苦しかろう、もっと苦しむがいい。この俺の言う事を素直に聴けぬ時はこうなる。お前達に埋め込んだものは俺の合図でいつでもお前達を中から喰い破る。この様にな。」
ちん
と奇妙な男が指を鳴らすと、土方の目に写った近藤がさらに悲鳴を大きくし、天を仰いだかと思うと、
めり
と血しぶきをあげて、五体が中から引き裂かれた。
「やめろぉぉぉー。」
自身の痛みも忘れて叫んでいた。近藤の死は、土方にとって自分の夢の死でもある。
奇妙な男は満足そうにまた
ちん
と鳴らした。
するとばらばらだったはずの近藤はさっきと同じ態勢で痛みに耐えている。
「この中で貴様が一番ものわかりがいい。俺に逆らえばこうなる。」
少し顔を離し、今までもう片手で掴んでいたみきの気を失わせて、土方につきつけ、
「貴様等三人がこの娘を抱いてもこうなる、もちろん殺そうとしても、たれかに殺させようとしても、だ。分かったな。」
頷くほかなかった。
奇妙な男は、抱えていたみきを沖田の方へ投げ、壁に滲む様に消えていった。