その日 愛は友人の加奈と購買部でご飯を調達していた。
「あり?愛ってこんな本持ってた?」
「あ」
これか、という顔をして持ってた本をみる。「え……と、読みにくいな、ふ、“ファム・ファタール”?」
「読んで、」
あげる、と言いかけて口をつむった。
正直、彼女は怖いのだろう。
この本を読むことが…
「ま、ま、それよりもさぁ」
こっちと、手招きをする加奈の所へ近付いた。
「なにさ」
「コレ、な〜んだ!」加奈の手にある物は、愛が朝下駄箱の中にあった『恋文』いわゆるラウ゛レターである。「あ!それは…!」
「へっへーん、隠しても無駄よ!この加奈様をなンだと思ってる」「返して!返してよ!」
しかし、加奈は返すつもりは無いらしい。
それどころか、
「どっしよっか・な〜」
と、じらしたりも。
「最っ〜低!」
ま、そんなこんなで二人はよろしくやっている。
しかし、その日常は、偽りだった
全て嘘の世界だった
悲しみと、憎しみ
この世界は、それで出来てきた
彼女か気付くのは少し先の話
ヤミが生まれる、ちょっと前