------------------------「へぇ」
一人の観戦客がそうつぶやいた。
「赤池か・・・懐かしいな。」
その客はうっすら笑みを浮かべていた。
しかしその男の笑いには少し悲しみの感情も混じってるようにも見えたのは気のせいだったのだろうか。
------------------------「赤池だって?!」
五十嵐はそう驚いた。
「赤池?そんなにすごいのか?」
中学野球出身の長峰はきょとんとした感じで聞く。
「ああ、氷室、俺達がいたシニアを負かして全国まで駒を進めた北津シニアのエースピッチャーだ。」
その言葉に氷室は加えて、「max141kmのストレートに切れ味鋭いスライダー。まあまず中学生が打てる球じゃなかったな。」
「うわぁ・・・」
常識はずれの球速に長峰はただただ圧倒されていた。「って事は今打席に立っている明石君は・・・」
「まあ、まずバットにすら当たらないだろうな。」
五十嵐はさらりとそう返した。
そして。
「プレイ!」
プレイが再開された。