自由への戦争 ?

曇り空  2006-04-19投稿
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『エボリューション』 彼らはそう呼ばれる、進化……そう、彼らはまさに『最終形態』ともいうべき、人類の進化種だった。


『我々は、自らの自由と独立のために全人類に宣戦布告する』
2155.9.25

今から10年前、『エボリューション』は全人類、つまり、彼らを異種と見なし、迫害を続けた世界政府に対して、宣戦布告を行った。
彼らは総勢わずか360万人、つまり、360万人で64億人に戦争を仕掛けだのだ。 確かに、まともに戦争など出来るような状態ではなかった。
しかし、宣戦布告の翌日、戦局は一気に変わった。アメリカ、ロシア、日本の三国が独立軍と同盟を結んだのだ。
独立軍と同盟国軍は領土を広げるべく、南アメリカ大陸に侵略、コロンビアを降伏させ、植民地化し、さらなる領土拡大を目指すものの、ブラジル、エクアドル、ベネズエラの激しい反撃を受け、一時退却、コロンビアを拠点に周辺国と衝突を繰り返すが決着はつかず、10年が経った。


「おい!ぬかるなよ!」ヘンリー小隊長が隊員達を振り返り言った。山道は非常に歩きにくく、小隊が崩れやすいからだ。正直、彼らは疲れていた。このブラジルの気候は決して過ごしやすいものではなかった。しかも、彼らは、ここ3日間、歩き続けていた。目指すは『侵略拠点基地 D−2』だ。
「もうすぐ、目的地だ。友軍との合流さえ果たせば少しはマシな物が食えるぞ」ヘンリー小隊長は少しニヤっとしながら言った。隊員達から歓声が上がる、彼らは常備食ばかりしか食べない毎日を過ごしてきたからだ。しかも隊員15人の食料としては決して十分な量とは言いがたかった。
その時、どこからか銃声が鳴りだした。
「伏せろ!」ヘンリー小隊長の叫び声で隊員達が一斉に地面に伏せ、草陰に隠れる。
(やはり、来たか)隊員の一人であるレオナルドは敵の攻撃から身を隠しながら思った。友軍の拠点までに、その拠点を狙う敵軍の偵察部隊との衝突がありうることは何度も小隊長から聞いていた。しかし、彼らにとってそれはなるべく信じたくないものだった。
「応戦しろ!」ヘンリー小隊長が叫び、隊員達が迎撃を始めた。
(まずいな……)ヘンリー小隊長の長年の兵士としてのカンが警告を発している。
(敵の数が多すぎる)ヘンリー小隊長は自分も応戦しつつ、隊員達を心配そうに見た。
その視線の先で若い兵士が命を落とした。

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