『じゃぁ、僕はそろそろ失礼させていただきます』
そぅいって車に乗り込み、久々に家に戻った。
灰となった美奈子を助手席に乗せて。
鍵をあけ、電気をつけたら、キッチンには美奈子とお揃いのマグカップ、箸、エプロン、色々と美奈子の存在を主張するかのように静かに部屋にあった。
『あっ、誰からか留守電が入ってるな』
そうして再生ボタンをおした。
『メッセージは1件です。
雅?美奈子です。
たぶんあなたは今、とてつもない悲しみに負われてるでしょう。
私があなたと逆の立場なら後追いをすると思う。
でもあなたには生きてほしいの。私はあなたの横にいつまでもいるから。
そして最終駅で私はあなたを、雅を待ってるから。
最後にプレゼントは
ずっと愛してるよ
これからも
この一言と、生きてる証として残す声だよ。
じゃぁね。』
そのあと、俺は泣き叫んだ。
『行くなよ。もどってきてくれよ』と
CRY OVER YOU....
形のないあなたを知らずに俺は、そばにいるあなた越しに泣き叫んだ。
そして
俺は一人、
生きていく。
留守電テープをもち、
そして形にない、美奈子を横にして。