カウントダウン・・1
『朱美が佐々木先生に利用されてるって…どういうこと?』
『なんかさぁ、アイツ去年と今年二回も中絶したんだよ。それが何故か、二回とも佐々木にバレたらしくて。アイツん家って意外とオカタイじゃん?親父もセンコーだしさ。で、バラされたくなかったら言うこときけ!みたいなさ』
〈そーゆーことか・・
なるほどね。だから頭に来た マドンナが手を回したって……こんな腐った世界に生きてる意味なんかあんのか?クソッ〉
もう三日……
里奈、どこで何してるの?
”ピピピッ、ピピピッ…”
・・・『里奈っっ!!』
『お母さん?ごめんね、心配かけて…
アタシさ、なんだか疲れちゃって…』
『里奈、とにかく何処にいるの?迎えに行くから!』
『・・・・・・いろいろあったんだ。すごくたくさん…。今話した以外にもイッパイ。話しきれないほど…。アタシの部屋の机の中にノートがあるの。今までのこと書いてある。それと、イヤでも、もう少ししたら全て聞くことになるだろうから……ごめんねお母さん。お父さんが居なくても、一生懸命育ててくれたのに…ありがとう!』
『ちょっと待って里奈!とにかく帰ってらっしゃい!ゆっくり話をしよう。いなくなっちゃうようなこと言わないで!!』
『…お母さん・・アタシ、もう居ないんだよ。あの失言をしたあの日から、アタシはもう……居ないんだ』
『確かに、あなたは人を傷つけてしまうことを言ったかもしれない…だけど、ちゃんと謝って反省したじゃない!もういいのよ・・帰って来て』
『だけどアタシは、既に抹消された。みんな、アタシを非難してる…ネットも見て…学校だけじゃなく、日本中のみんなが、アタシを追放したがってる……もう居場所なんてどこにもないよ・・・』
『誰がこんな酷いことを……… たった一度じゃない!
お母さんが味方じゃない!』
『ごめんね…ごめんね…
弱いアタシで、ごめんね…』
・・・・プッ、プープー…
『里奈、里奈、里奈ぁぁ』
・・警察…警察に電話しなきゃ
『娘が、娘が危ないんです!
助けてくださいぃ』
遅かったね…ごめんね里奈…
近くにいたのに
見つけられなかった……