『あたし‥聖人を大好きだって気持ちは‥誰にも負けないつもりだった‥‥。
あたしは‥聖人と、ただの幼馴染みのままでいるのが辛かった‥‥。
ずっと‥ずっと‥辛かった‥。』
その場に座り込んだまま、ユカはボロボロ涙を流しながら、懸命に話し続けたー。
『入学してすぐ、
あたしは聖人に告白したけど‥。
あっさり振られた。あれは‥あの時の告白は‥一大決心をして‥やっと言えた気持ちだったのよ‥‥。』
聖人は黙って聞いていたー。
タツヤも床にヘタレ込んだままでー
聖人のパンチの余韻に浸りながら、聞いていたー。
クラスメイト達は、今初めて明かされたユカの聖人への思いにー
皆、驚きの表情を隠せないでいたー。
聖人とユカが幼馴染みだという事を知ったのとー
その聖人の事をユカがずっと好きで片思いに苦しんでいた事ー
そしてー
やっとの思いで、聖人に告白したけれど、その恋が報われなかった事ー。
それらの事実をー
ユカの口から直接聞かされたからー
クラスメイト達の驚きもひとしおだったー。
何よりも一番驚いたのはー
いつも強気なユカが泣いた事だろうー。
これには、あたしもかなりビックリしたしー
それと同時に自分のやった事を素直に認めたのも意外だったー。
どんなに意地っ張りで、わがままで、頑固者のユカもー
好きな人の言う事なら、こんなに素直になれるんだねー。
ついさっきまではー
一時はどうなる事だろうと思わされる程騒がしかった教室内もー
やっと落ち着いた風景を取り戻していたー。
そんな中ー
冷静にユカの話の最初から最後までを黙って聞いていた聖人が、ゆっくりと口を開いたー。