後悔ばかりが後に残る。
私は働いていた老人ホームを辞めた。
でも誰のせいでもない。暴れたお爺さんも悪気があって暴れたわけじゃない。認知症という病気がそうさせたんだって分かってる。タイミングが悪かったんだ。
私はとっさに止めに入った。そして、次の瞬間にお爺さんの手が私の下腹を直撃した。
私は痛くてその場にうずくまってしまった。太ももを伝って赤い血が下に落ちる…真っ青な私は早退して病院に直行した。
流産した。
病院で後処理をしてもらい、ベッド上で目が覚めて涙が止まらなかった。
わかってる…わかってるよ……でも恨んでないと言えば嘘になる。でも恨んじゃいけないって必死に自分に言い聞かせた。
一週間は必ず安静にするようにといわれて、私は入院せずに帰った。
帰って部屋に籠もりながら、私は耕くんにどう伝えるか悩んでいた。
でもちゃんと伝えなきゃと携帯を見たら耕くんから着信が何件も入っていた。
耕くんの仕事場は電波が悪い。多分今日も繋がらないって思ったので、仕事が終わって読んだらいいように私は勇気をだしてメールしてみた。