「お前あほか!安静にしとけ言うたやろ!お前がそんなんして誰が喜ぶねん!」
耕くんは私を叱ってくれた。
「…死にたい」
私は泣かないように我慢しながら言った。
「お前…もっと周りを考えろ。お前が死んだら俺はどうすればええねん」 「……別れよう……耕くん……」
涙が押さえきれずこぼれた。耕くんは、私を抱き締めてくれた。
「別れない…そんなん嫌や…俺はあやが無事だっただけでよかった。こう言うたら誤解されるかもしれないけど、俺にとってはあやが一番大事やから…子どもは残念やったけど、俺はあやが居てくれるだけで他にはもう何も要らへんから…きっと子どもがあやを守ってくれたんやと思うで。きっとまた俺らの子どもとしてあやのお腹に帰ってきてくれる…あやはこれからまた俺の子を産まなあかんのやから、今は絶対無理するな!」
私は泣き崩れた。
「もう産めないかもしれんよ…それでも私と一緒にいたい?償わないと……」
「もしそうなっても俺はお前がいい。2人で生きていこう。2人で償っていこ…」
耕くんはまっすぐ私を見つめて言った。その強いまなざしを私は一生忘れないだろう。
これまで私と赤ちゃんのために禁煙してくれていた耕くんが、この日久々に煙草を吸った。