私のブログはだんだんと
恋愛のことだけでなく、音楽や映画、食べ物のことなども書くようになり
他人のブログにお邪魔して、友達を増やしていくことにも成功していた。
そしてある日。
“新着100件”
というリンクをクリックした。
他人が書いたブログの記事を、書いた時間が最近である方から百件表示される。
そこにそそられるタイトルが一つあった。
それがスミとの出会いで、
私達の運命が、私達の世界が、
ゆっくりと回り始めた時だったなんて、思いも寄らなかった。
スミは男の子だけど、
私が大好きな少女マンガが好きだった。
そこから意気投合して
色んなことを話すようになった。
彼は私より一個上、高卒で公務員一年目だったので、仕事の話をしてくれたり、進路の相談に乗ってくれたりもした。
私の地元は首都圏付近、スミの地元はもう少し北のほうにあるそうだ。
そのうちメールアドレス…俗に言う“本アド”を交換。
深い話をしていくにつれ、気付いたことがあった。
恋愛観、少しネガティブな所も
私達は、人間としての本質が似ていた。
「やめてよ、もう!!」
母の金切り声が、階下から聞こえた。
また始まったのかと呆れるのと同時に、私は震えていた。
あんな風に、はっきりと母が叫んだのは初めてだった。
本気で思う。
殺されるかもしれない。
『スミ』
恐くて恐くて仕方がないのに、何も出来ない。
私はただ、その二文字をスミにメールすることしか出来なかった。
『どうしたの?』
返事はすぐに返ってきた。
もうこの家にはいたくない、いられないという想いが、頭をよぎる。
少し考えた末に、私は決断した。
『私を浚ってください』
知り合ってから約一年。
私達はお互いの顔すら知らなかった。