追試の日。
放課後に追試の教室に入ると、何人かの生徒が怠そうに集まっていた。
黒板には席順が書かれている。
自分の席に座って、ダイキのスパルタレッスンのプリントを眺めた。
しばらくしてプリントを眺めるのに飽きて、黒板に目を移す。
見ていると、ミカの名前があることに気付いた。
あれ以来ミカとは会っていない。
教室が遠いこともあるけど、きっと避けているんだと思った。
でも、ミカともう1度、ちゃんと話がしたい。
チャンスは今しかない。
教室を見渡すとまだ、ミカの姿がない。
結局、先生が来るのと同時にミカは現れた。
追試用のテストを配られ、テストが始まった。
ダイキのおかげで問題は解けたけど、ずっとミカが気になってしかたなかった。
帰りに話しにいこう。
そう決めて焦る気持ちを落ち着かせた。
「はーい、じゃあ、後ろから回答用紙集めて。」
先生の声で、生徒の緊張感が切れて騒ぎ始めた。
提出した生徒から、どんどん帰っていく。
ミカを追って教室を出る。
「ミカ!」
呼び止めると、気まずそうな顔でミカは振り向いた。
「何?」
ミカの冷たい目に負けてしまいそうになる。
「話しがあるんだけど、今いい?」
勇気を出して言うと、ミカは頷いた。