初恋25-2

エリ  2008-02-13投稿
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「で、何?説教ならダイキからされたけど?」
ミカは腕を組んでダルそうに壁にもたれかけた。
「違う。ミカの気持ち考えなくてダイキと付き合ったこと、謝りたかったの。」
ミカが少し驚いた顔をした。
ずっと心の中で引っ掛かっていた正直な気持ちだった。
「今さら何を言っても言い訳にしかならないけど、初めは私はダイキを諦めようと思ってた。」
少しでも気持ちを伝えたくて、一生懸命言葉を探りながら話した。
「ミカのこと相談されたときも、私何も言えなかった。ダイキがミカといて幸せならそれでいいって思ってた。」
カナコ先輩に相談していた時のことを思い出した。
ダイキが好きすぎて、距離を置いていた時のこと。
どうしたらいいのかわからない。
気持ちだけが空回りしてしまっていた時のこと。
「でも、ダイキがミカと別れて告白してくれたとき、嬉しくて、付き合うって返事しちゃったけど、あの時、ミカのことちゃんと考えてたら、今みたいにならなかったのかなって思ってて…」
今になって考えたら、ミカはいい気はしなかったと思う。
別れるのを待ってましたとばかりに、ダイキと付き合った私のことをミカが嫌うのは当たり前だ。

「ミカ、本当にごめんなさい。」
頭を下げてミカに謝った。
嫌われててもいい。
友達と呼べるものが終わってしまっているのはわかってる。
ただ、ギクシャクしたまま終わらせてしまいたくなかった。
しばらく静かに2人とも黙ってしまった。
「アタシも…ごめん。」
沈黙を破ったのはミカだった。
ミカの言葉に驚いて顔を上げた。
ミカが組んでいた手を解いて頭を下げている。
「言いすぎたのもわかってるつもり。」
そう言ってミカが顔を上げた。
「ミカがヒロシ君にふられてショックだったから、エリとダイキが幸せそうだから嫉妬したの。壊れちゃえばいいって思った。ただそれだけ。意地悪してごめん。」
ミカが初めて謝った瞬間だった。
「じゃ、行くね。」
そしてミカは気まずそうな顔をして帰っていった。

ミカに気持ちを打ち明けて安心したけど、あのミカが謝るなんて思いもしなかった。
いつも絶対に謝らなかったあのミカが変わった。
拍子抜けしてしまった。



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