オコツさんはまだ寝てる。
そんなに疲れてたのか?
まぁ良いか、さっさと事件を調べて警察に届けて、逮捕して貰おう。
自分の力で捕まえるなんて馬鹿な事考えたら消されるのがオチだ。
「雪だね。」
あ…起きてる。
…じゃないっ!
「洗濯物!」
寒い。
部屋着のまま外に出てしまった。
とりあえず急いで取り込む。
服を中にほうり込む。
中に入ると首筋が凍るように冷たい、息がつまる、宙にういてる。
どうやらチェックメイトのようだ。
あの男の腕が見える、顔も見えた。
もがいたが何も出来ない。
ただただ涙が出る。
苦しい。
「紗耶…」
俺はぶっ飛んで壁に激突した。
側頭部に鈍い痛みが走る。
痛みに顔が歪むが見上げるとソファの向こうでこの前見た時の銃を紗耶が持ってる。
「撃…て」
精一杯言ったつもりだったが全く無反応。
キッチンへ逃げる紗耶。
おもむろに銃に水をかける。
湯気が上がる。機械のシャットダウン音と、バチバチ言う音。
こっちにくる紗耶。
「立てる?」
…ちょっと引きずられて無理矢理立たされて逃げさせられた。
コンビニで少しの食料とジュースを買わされた。
「…どこ行く…の?」
頭が痛い。
病院に行きたい。
絶対どこかおかしいハズだ。
あんまりはっきりしてない意識の中で、ネオンが見えた。
…エレベーターに乗ってる。
部屋に入る。
さっき買ったジュースで頭を冷やす。
ズキズキする、が朦朧としてた意識が徐々にハッキリしてきた。
ピンクの内装。
ラブホのようだ。
俺の財布を見てる。
「何してるの?」
「15862円…一日分はあるわね」
「え…泊まるの?」
「じゃないと、アイツ来るでしょう?」
「ケド…ラブホって。」
「何かしたら許さないから」
目が真剣だ。
「しないよ。」
頭痛くてそれどころじゃない。
「シャワー浴びるから」
そー言ってどこかに行った。