殺人霊 1−2

敷物  2008-02-13投稿
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ぶるるっ!
彼は路地裏に入り、物影のところで用を足してズボンにヘロヘロになっているベルトを通したときだった。突然背筋に、冷たい手を入れたような悪寒が走った。それと同時に、彼が入って来た大通りとは逆のほう、路地裏のより奥からカラン!という音が壁を反響して 耳に伝わって来た。
ーーえ?
ここは路地裏。自分でもこの辺りまでしか来ないのに、それより置くにはいるのか?
何となく気になった彼は、音のしたほうに顔を向ける。
ザッ。
背後に聞こえる、固いアスファルトを蹴る音。
これはさすがに、酔っていた彼も一瞬にしてそれが覚める。
「だ、誰ですか!?」
そのまま勢いで振り向いた彼は、驚くことになる。
靴?
視線の先にあったのは、二足の茶色い古ぼけた靴。
「こ、これは……!?」
次の瞬間。
彼の背後に黒い人影。それは、まるで相手を威圧するようなとてつもない存在感を放っており、彼もその存在に気がついた。
「ミーツケタ」
その人影はニヤリと、口が耳まで裂けるほど笑い、そしてーー

ドスッ!



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