LASTSUMMER#47 『バッテリーの秘策』

SETTARMEN  2008-02-13投稿
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【2回裏】



イニング前の投球練習が終わり、捕手の不破が天堂寺の元へ駆け寄る。



カズマ『ショウ。この回また1番からだぞ!初回はストレート主体でいったけどこの回真直ぐは見せ球にしていこう』



少し戸惑った表情した天堂寺が

ショウ『あぁ…それにアレを使ってく!』


カズマ『アレ?』


ショウ『合宿で投げ込んだアレだ。まだ7、8割しか使えねぇけど、こうなりゃぶっつけだ!!』


カズマ『マジで使うのか?……わかった。サインは「チョキ」でいくから。』


ショウ『おう!真直ぐ見せ球にしてアレで勝負だ』

カズマ『OK!頼んだぜ!』



不破がポジションに戻り審判が『プレイ!』をコールした。



打席には2回表、守備で貢献した冴木。



天堂寺が振りかぶる。



第1球。



ビュン!!



カキッ…



『ファール!』



天堂寺のストレートに冴木のバットがかすった。


しかし、打球はバックネットへ…



冴木(ストレートは速いが、打てないほどじゃないな…)



続く2球目。



ブン…



主審『ストライ〜ク!』


次は冴木のバットが空を切った…



緩いカーブでタイミングを外したのだ。



冴木(カーブか…真直ぐ来ると思ったのに…)



これで2ナッシング。



続く3球目は高めのストレート。



大きく外れて2-1となった。



ここで不破が「チョキ」のサインを出した。



天堂寺は待っていたかのように頷く。



第4球目。



冴木はストレートを待っていた。



ワインドアップモーションから天堂寺が真ん中に速球を放った。



冴木(きたっ!!)



しかし…


『ストライ〜ク!!バッターアウッ!!』



ボールは不破のミットに収まり、冴木が空振り三振に倒れた。



ただ、不破のミットに収まった位置は、真ん中ではなく完全な外のボール球だった。



そう!これがバッテリーの秘策だったのだ!



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