「ど、どーも…」
私は赤面しながら、俯いた。そのとき、確かに私は胸のときめきを感じていた。
「美沙は、彼氏いんの?」
「いたら、今頃一人でいないよ…」
「そっか……(笑)」
----------
ゴンドラは、順調に上り詰め、私たちの間にも和やかな空気が流れていた。
だが、それもつかの間の時間だと、あとで気づかされる。
ブー――……
「「え……?」」
異様な不快音の発生と共に、止まったゴンドラ。
「どぅいうこと?!」
ライトも消えて、ゴンドラの中は暗やみに包まれた。
「ちょっ…美沙…!動くな…狭くてぶつかる…」
「友…!ごめっ…」
「「……………」」
二人の間に沈黙が流れる。私も、事態が把握でき、落ち着いた。
「早く治ると良いな…」
「うん…今は待つしかないね…」
窓から見えるきれいすぎる夜景が、やけに悔しかった。
「なぁ…俺、断ち切れっかな……」
「え……?」
「元カノ」
「それは…友しだいだよ…だけど、友ならできると思う…短い間しかまだ話してないけど…できる人だって、思ってる」
「………(笑)不思議だな。美沙に言われたら勇気わいてきたわ。おまえ説得力ありすぎだよ(笑)…………ありがと」
短くはきすてた言葉に、愛しさをおぼえた。
「うっし…!おしまいっ!ウジウジとか止めることにするか……!」
「立ち直り早っ…」
「うっせ(笑)」
好き………なのかな………