重い。
言ってはいけない。だから言わない。
だけど。
重い。
貴女の存在が、重くてたまらないのです。
よりかかられても困るのです。
――私は自立した関係がいいのに。
重い。
ああ貴女はなんと重いのでしょう。幼子みたいな悪びれのない顔をして。石のような腕を、私の首に回すのです。鉛のような頭を、私の肩にのせるのです。
重い。
貴女はいつ飛び立つのですか?
石の殻を破って、美しい鳥になるのはいつですか?
私が世話しなきゃできませんか?
手伝わなければいけませんか?
ねぇ?
重い。
重い。
重い……。
私はただ、解放の時を待つ。