幻の前にいた人物は幻を変な場所へと移動させた女だった。
「なっ何であんたがここにいるの!?」
女は幻に驚いた様子で問い掛けた
「お前だって、いったい何なんだよ! いきなりオレを‥」
〔ガバッ〕
幻がさっきやられたことを言おうとした瞬間、女は幻を掴み病院の外に引きずり出した。
「何だよいきなり! 元気だけど、これでも怪我人なんだぞ。」
女は幻が言ったことを無視し「ちょっと来て。」と言って人のいない所へ急いで幻を引っ張っていった。
「だから、何なんだよ!いい加減にしなきゃそろそろキレるぞ!」
幻がそう言うと女は息をきらしながら静かに口を開けた。
「ハァ‥‥ハァ‥‥‥あんた、こっちにどうやって戻ってきたの?」
女の質問に幻は
「どうやってって言われてもな〜‥‥木にぶつかったと思ったら学校の裏にいたんだよな〜」
幻の言葉に女は驚いた。
「えっ!? それじゃーあんたは‥‥」
女はそう言いながら学校の窓に写った幻の手を見た。
「やっぱり‥‥あんたは天能手(あまのて)を使う者だわ。」