命の森を奪われたオラウータンは、木の上で遠い緑の過去を懐かしんでいる。 ショーで芸をしているイルカは、泳ぎながら自らが生まれた海を思い出している。 サファリパークのライオンは、サバンナにいる仲間に向けて必死に吠えている。 水槽にいる魚は、いつか育った海に帰れると信じて必死に泳いでいる。 別に死を恐れているわけではない。 別に生を喜んでいるわけではない。 ただ、家族や仲間と引き裂かれたことを嘆き悲しんでいるのである。
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