天才の恋?

てる坊  2006-04-21投稿
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俺も恋をするとバカらしい。成績は常に学校でも県でもトップ。友達にも先生にも一目置かれているような俺でも『恋』という科目になればバスケ部の滝川よりサッカー部の佐沢よりも、もしかしたら卓球部の今井よりも下の成績かもしれない。でも柔道部の郷山君よりは上だと思う。まぁいいとして、どこまでバカか?そう、テスト終了後の出来事である。
可愛いあの子が話しかけてきた。俺の顔は誰が見ても沸騰したかのように赤かったハズだ。
「俊也クン、俊也クンてさ、お父さんかお母さん弁護士とかやってる?」
「ぅ…え?どど…どうして?」
「頭良い人のお父さんてだいたいそういう仕事やってたりするから…あ、ごめん…なんか偏見だよね…ごめん!気にしないで!」
沙希はうつむいてしまった。また、この仕草が可愛いのなんの、俺は勢いよく答えた。
「いやいやいやいや!そんな事!全然!ノープロブレムさ!」なんだそら!俺今“ノープロブレム”って言った!?チョー恥ずかしい!もう完全にオヤジである。
すると彼女は、
「…じゃあどんな仕事をしてるの?」
え、ウチのお父さんはスーパーの店長だけど?これを言うと何故か彼女の夢を壊しそうなので少し違うヤツを言う事にした。
「ホ…ホテルの社長?」
「え!?社長!?すごい!どこのホテル!?」
どこの…ラブホはいかんよなぁ…どこ…。
「ア…アメリカ?」
「アメリカ!??ホントに!?」
嘘である。
「う…うん。」
「じゃあお父さんとか休日家にいないでしょう?ていうかいつ帰ってくるの?」
「う、うん。盆と正月と子供の日?」
ええ!?俺今何言った!?子供の日!?そしてウチのお父さんは休日になってもしつこいくらい家にいるだろ!!
「へぇ…!そっかぁ…!!ホントすごいね!!」
気にしないのか子供の日!!
「ま、まぁね。」
そして彼女の中でウチのお父さんがどんどんバリバリの営業マンとして活躍していった。



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